コウヤマノート

『子ども村福岡』を訪れた理由

2017年3月24日

『子ども村福岡』を訪れた理由
福岡市西区今津にある、『NPO法人SOS子どもの村JAPAN』が運営する『子どもの村福岡』を訪れた。
農地に囲まれた静かな環境のこの地には、交流施設としての『センターハウス』と5棟の『家族の家』があり、それぞれの棟では、里親と様々な事情により家族と離れて暮らさざるを得ない子どもたちとが、一緒に暮らしている。2010年に開村してから、その暮らしを、村長さんを始め、多くの専門家や支援者、ボランティア、地域の皆さん等で支えておられる。

2005年当時、福岡市では社会的養護の子どもたちが急増し、一時保護所や児童養護施設等が満杯の状態に。ある意味では必要に迫られた里親制度の普及促進でもあった。
児童相談所と市民との協働の『市民参加型里親普及事業(新しい絆プロジェクト“ファミリーシップふくおか”)』もスタート。その取り組みが土台となり、『子どもの村福岡』プロジェクトも数々の困難を乗り越えながら前進した。

今回、ここを訪れようと考えたきっかけは『こうのとりのゆりかご』が10年を迎えたこと。マスコミから取材を受ける機会が増え、あらためて検証会議の報告書に目を通しながら、この10年を自分なりに振り返った。

「“救われる命”があるならば」との思いも込めて設置を許可したゆりかご。矛盾するかもしれないが、許可はしたものの「出来るだけ使われないことが望ましい」と考え、病院とともに24時間の相談体制を整備した。
誤解を与えるかもしれないが、ゆりかごは一過性に過ぎないとも言える。許可した者は置かれた子どものその後の人生にも責任を負う。「家庭により近い環境を」との考えから、広報や研修等の里親制度の普及促進にも力を入れた。しかしながら、目に見える成果を上げることが出来ないまま、市長としての任期を終えた。

子どもの権利条約では、全ての子どもたちが家庭環境の下で成長する権利が唱われており、施設ではなく家庭養護がほとんどの国もある。その点では“後進国”の日本も、まずは里親委託率3割以上という目標値を設定することで、里親制度の普及にようやく力を入れ始めた。

福岡市では、国の動きに先駆ける形で、多くの人たちを巻き込みながら、子どもの村の設立とともに里親制度の普及に取り組んでこられた。その結果、里親委託率は既に35%を超え、将来的には50%以上を目指しておられる。

福岡市と熊本市の違いは何か、今回はその答えを探るための訪問でもあった。『子ども村福岡』の存在はもとより、市民協働の取り組み、児童相談所の体制等々、違いは明らか。今の立場で今後にどう活かすことができるのか、じっくりと考えたいと思う。
『センターハウス』で話を伺っていると、子どもたちが自転車等で元気に遊ぶ様子が窓から見えた。『こうのとりのゆりかご』という全国で唯一の施設のある熊本であるだけに、福岡市から学びたい。おこがましいかもしれないが、強い責任感を覚える。
幸山政史の一問一答幸山政史の会

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